
夏になるとよく聞く生地の名前「リネン」。
実際に聞いたことがある方も、着用されたことがある方も多いメジャーな素材のリネン。
「夏に涼しく着られる」ってイメージが強いリネンですが、リネンが夏に適した理由やその他にも魅力がいっぱいのリネンの事をご紹介致します。
目次
リネンって?麻とは違うの?

よく混同される言葉ですが「リネン」と「麻」厳密に言うと異なる言葉です。
「リネン」は亜麻(フラックス)から作られた麻の一種で、柔らかくしなやか、洋服に適した高級素材です。
「麻」は植物からとれる繊維の総称で、麻という大分類の中にリネンを始め、ラミー(苧麻)やヘンプ(大麻)など複数の植物の種類が属しているイメージです。
同じ麻と分類されますが、リネンやラミー、ヘンプではそれぞれ特徴がちょっとずつ異なる素材です。
毎日に寄り添う、ナチュラルな心地よさ

リネンは植物の茎を原料とした天然素材。
天然素材ならではの優れた機能性を持ち、季節を問わず快適な着心地を叶えてくれる素敵な素材。
通気性に優れ、抜群の吸水性を持つリネンは、春夏のイメージの素材ですが熱伝導率が高いリネンは実は一年を通して快適にご利用頂ける素材です。
着用やお洗濯を繰り返し洗うたびにやわらかくなじみ、自分だけの風合いに育っていくのも魅力です。
肌ざわりがやさしく、日常にそっと寄り添うリネンは、一年を通して頼れる存在です。
優れた通気性と吸水性

リネンは天然繊維の中でも、特に優れた通気性と吸水性を備えている素材です。
繊維の断面がストローのように空洞となった中空構造となっており、空気や湿気が通りやすいのが特徴です。
また、繊維が綿に比べて太く硬いため、生地を織ったり編んだりした際に適度な隙間が生まれ、風通しのよい仕上がりになります
また、繊維の中でも一番の吸水性の高さを誇るリネンは自重の約12〜20%の水分を吸収できるとされており、綿の約2倍の吸水力を持つと言われています。
水分をたっぷり吸うリネンと湿気をたっぷり吸うウール。
リネンは吸水性に加えて速乾性を持っており、より夏に適した素材となっております。
吸水性や通気性に優れていることで、汗をかいてもムレにくく、肌ざわりがさらっと快適に保たれます。
ポリエステルなどの合成繊維は通気性が低く湿気がこもりやすいため、暑い季節には蒸れやベタつきを感じやすくなります。
リネンはそうした不快感を軽減し、暑い日も心地よく過ごせる素材です。

使うほどに柔らかく育つ風合い
リネンは、植物の茎を原料とした繊維。
程よいシャリ感やハリのある肌ざわり。
実際の茎を手でほぐすと次第に柔らかくなるように、リネンのお洋服も着るたび・洗うたびに繊維がやわらかくほぐれていき、しなやかに肌になじむ風合いへと変化していきます。
経年変化を楽しめるリネンは、着込んでいくうちに自分のための特別な一枚へと変化していきます。

抗菌性+速乾性=清潔な繊維

リネンの原料・フラックスの茎の繊維には、ペクチンやリグニンといった天然成分が含まれ、これらの成分には雑菌の繁殖を抑える働きがあります。
さらに繊維の表面に含まれたペクチンの効果で、汚れが繊維の奥まで入り込みにくい。そのため、汗ジミや皮脂汚れが落ちやすい素材となっております。
加えて先ほども説明した通り、リネンは吸水・速乾性に優れていて湿気がこもりにくい素材。
菌は湿度の高い環境が大好きだから、乾きやすいリネンは菌が増えにくく、清潔さを保ちやすい素材となっております。
そんな清潔な素材だからこそ、リネンはインナーとしても大変おすすめの素材です。

リネンを使用したおすすめインナー:
定番タンクトップ
リネン100%の天竺を使用した定番タンクトップ。柔らかくチクチクしないリネンはサラッとした着心地で暑い夏にも快適にご利用いただけるアイテムです。

リネンを使用したおすすめインナー:
インナーショートパンツ
リネン100%の天竺を使用したショートパンツ。スカートやワンピースの下にペチコートとして、リラックスタイムのルームウェアとしてもおすすめのアイテムです。

リネンを使用したおすすめインナー:
汗取りパット付きTシャツ
リネン100%の天竺を使用したショートパンツ。スカートやワンピースの下にペチコートとして、リラックスタイムのルームウェアとしてもおすすめのアイテムです。

リネンを使用したおすすめインナー:
カップ付きタンクトップ
取り外し可能なブラパッドが入ったタンクトップ。ブラ周りの蒸れや汗による不快感がこれ一枚で解決できるアイテムです。パッド部分は3重になっていて安心感があり、速乾性のがありすぐ乾くのも嬉しいポイントです。
独特な雰囲気で魅了する、リネンの風合い

リネンは、他の繊維にはない自然なムラ感や節(ふし)が織りなす独特な表情が魅力。
ほどよいハリと独特な光沢感、そしてナチュラルなシワ感が、涼しげで上品な雰囲気を演出します。
気取らないのにどこか洗練された印象を与え、装いにさりげない抜け感と軽やかさを添えてくれる素材です。

表面感が魅力のリネンアイテム:
東炊きバルーンパンツ
職人さんの手でじっくり炊き込まれたリネン100%素材。くったりとした柔らかな着心地と独特なシワ感が魅力的。一枚着るだけでも雰囲気のあるコーディネートになるアイテムです。

表面感が魅力のリネンアイテム:
フレンチリネンワイドパンツ
フランス産の上質なリネン100%で作られたワイドパンツ。ゆったりとしたシルエットに8分丈で涼し気な印象に。暑い夏のカジュアルスタイルにピッタリのアイテムです。
リネン天竺について

Tシャツやタンクトップなどの伸縮性の必要なインナーに使用される「天竺素材」。
一般的なTシャツの生地も多くはこの天竺という編み組織の生地を使用しております。
コットンのTシャツやタンクトップは多く出回っておりますが、リネンのTシャツやタンクトップを始めとしたインナーってあまり見かけないのには実は理由がありました。
貴重な素材 ”リネン天竺”についてちょっと説明を。
短繊維のリネン
リネンは繊維長の短い「短繊維」に分類される繊維です。
短繊維に加えてハリ、コシのあるリネンは編み上げる工程で糸が切れやすく、編み上げるのがとても難しい繊維です。
編み上げる工場の湿度にも大きく左右され、湿度の低い環境では、より糸切れが発生しやすくなります。
技術と経験の賜物
その日の湿度や繊維の状態に合わせて張力や速度を調整し、ゆっくりゆっくり編み上げていきます。
それでも途中繊維が切れて機械が止まってしまうことも多く、その都度糸を結び直して再スタートとなります。
通常の繊維よりも時間も手間もかかり、確かな技術と経験を持った職人さんにしか編むことが出来ないのがリネン天竺。
リネンの天竺素材はそんな職人さんの技術と経験、知識の賜物です。

実は年中使えるリネン

リネンといえば、春夏の素材というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。ですが実は、リネンは冬にも活躍する頼もしい天然素材。
吸湿性と放湿性に優れているため、室内と屋外で寒暖差のある冬の日でも蒸れにくく、快適な着心地を保ちます。
冬って皆さんが思われている以上に汗をかく季節。
汗ばみやすい重ね着の季節こそ、その調湿機能が頼りになります。
またリネンは熱伝導率の高い素材。
冬にインナーとして素肌に着ていただくと、体温でリネンの繊維構造である中空素材の空洞内の空気が温められます。
そこに秋冬用のアウターを着ることで、アウターと肌の間に温かい空気の層が出来て、暖かさを感じることが出来ます。

秋冬におすすめのリネンアイテム:
リネンウールジャンスカ
柔らかなリネン素材にメリノウールをブレンドした素材を使用。表面に起毛感がありメリノウールを合わせることでより高い保温性も。軽くて色々な重ね着にも合わせられるアイテムです。
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